蝶ヶ岳-その3

昼食を食べたところから1時間半くらい登ると、残雪がちらちらと出始めた。(2300mあたり)

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撮影は、Nikon D700, AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G II。

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いい加減登りも飽き、疲れもMAXになってきたが、頂上方面を見てもずぅ~っと木が続いている。
展望も無く、ただただ登るだけ。

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しばらく行くと、登山道が掘れたところに雪がたまっていることが多くなってきた。
何度かガボった後、スパッツを装着。

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雪で枝が倒されたりして、相当歩きにくい場所もあり。
このあたりから完全に体力が無くなり、10分歩いてはしばらく立ち止まるようになる。
連続して歩き続けられない。
急なステップや段差を乗り越える際、頭痛がするようになってきた。

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すこし開けた場所に水溜りぽいような池のような…
「もしかして妖精の池!?」という大誤算。

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さらに行くと、完全に雪道。
それほど斜度が無いことと、雪がやわらかいということで、アイゼンは未使用。
登っても登ってもずっと雪道。
肩と足にだいぶガタがきている。
5分歩いて1分休みというペースに落ちる。じわじわ進む。

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「なんか広場に出たんですけど、何これ?」なところ。

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15:45 長塀山の頂上だった。
上り始めてから6時間を越えている。予定では5時間45分でテント場に着くはずだった。
あんだけ歩いてきたのに、あんだけ登ったのに、まだここなのか!?と、いろんな意味でがっかり。

そして、ここからテント場まで、コースタイムで1時間。
今の自分のペースならその1.5倍で行けるかどうかも怪しい…

到着予定を計算すると、早くて17:00、遅ければ18:00かさらに遅い時間。
日が暮れたら、リスクは予想をはるかに超えて大きくなるのは、少し頭痛のする頭でも理解できていた。

ここから先は、いろいろなことを考えながら歩くことになった。

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長塀山頂上を少し行くと、少し大きめの水溜りがあった。
ここもニセ妖精の池。
夏には水がなくなるのだろうか?地形図には窪地の記述だけで、水の印が無い。

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これだけ登ってきたのに、まだまだ上り続ける。
森林限界は蝶ヶ岳の稜線のすぐ手前であり、この先の見えない登りが精神的にきつい。

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地形図で妖精の池の手前にある池(と思われる場所)。
雪があるだけで、水は無かった。
そろそろ暗さを感じるようになり、あせりも感じるようになる。

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そしてやってきた妖精の池。
地形図から、ここがそうだと判断したが、「また騙されるんじゃないか?」という思いも少しある。

池の左に夏道が出ている。
あの道をしばらく行けば、森林限界を超え、稜線が見えてくるハズ。
そうで無ければ…


蝶ヶ岳山行記

更新情報

2014.4.14
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著者

西尾 健(にしお たけし)
石川県金沢市在住の素人フォトグラファー。
ダメ人間で写真が好き。フィルムの魅力に引き込まれ、フィルムで撮り続ける日々。
このWebサイトでは、主に自分用のメモと記録を、写真と文を交えて記事にしています。

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