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沖縄紀行 2015年 3日目 / Okinawan journey, 2015, Day 3

沖縄3日目。
単に寝床に慣れないだけなのか、それとも様々な思いが去来するからなのかは分からないが、この日も夜中に何度も目を覚まし、すっきりしない朝を迎えた。
4時半に起きたが、30分ほどは布団の中でぼぅっとしていた。

今日は辺野古へ。
そこで何が起きているのか、そして何が起こるのかを実際に見て記録するために。

出発の前に、まずは近くのコンビニへおにぎりを買いに行き、ホテルの部屋で食べた。


撮影機材や防寒着、ちょっとした食料や水などをリュックに詰め、低山ハイキングに出かけるような格好で5時半にホテルを出る。
真っ暗で誰もいない。少し風が強く、長袖シャツにウインドブレーカーでは少し肌寒い。


国道58号線へ出て、上之屋バス停でバスを待つ。
後から一人女性がやってきて、別のバスに乗って行った。


6時過ぎ、77番バスに乗車し、名護バスターミナル方面へ。
車内はガラガラで、乗客は他に2人くらい。

6時20分頃、空が白み始める。
6時50分頃、新聞を読んでいるうちにコザ。

新聞をひと通り読み終えた後は、ポケットラジオでラジオ沖縄の朝の番組を聞いて過ごした。


7時20分頃、うるま市栄野比‎あたりで朝日が見える。
乗客は多いときでも10人弱で、ずっとガラガラ。


バスに乗って約2時間、8時過ぎに宜野座あたりまできたところでトイレへ行きたくなった。
下車予定の第二辺野古バス停の手前、国道329号線沿いにファミリーマートがあるのは知っていたが、その最寄りのバス停がわからない。大雑把にこの辺だろうと予測して、第二辺野古バス停から4つ手前の久志バス停で下車した。

下車時刻は8時15分。
ひっそりとした集落にポツンと一人。


集落から逸れ、国道329号線に向けて歩き出す。
坂の上に工場(?)が一つ見える。


あたりは畑が広がっているだけ。ただそれだけ。
(こんなところ歩いてる奴なんか、普通いないよな…)


工場を過ぎ、国道329号線に出た。が、右を向いても左を向いても、ただ道路が伸びているだけでファミリーマートは見えない。
iPhoneで地図を見ても、低速な3G回線でしかつながらないせいか地図にほとんど何も読み込まれないし、現在地もGPSの測位範囲が広すぎてはっきりしない。
どちらへ進むか悩んでいたところ、ファミリーマートのトラックが左から右に向けて走り去っていった。
なんの根拠もないが、右かな?と思い、歩き始めた。辺野古は右方向だし、逆に進んで戻ってくるよりはマシだろうというのもあったと思う。

しばらく進んだところでiPhoneの地図にファミリーマートが表示され一安心。
しかし、ずいぶんと歩いた気がする…


旅行から帰った今、あの時どこを歩いたか調べてみた。
ファミリーマートの最寄りバス停は、僕が降りた久志の次、豊原だった。
豊原で下車すればファミリーマートまで300mくらいのところを、久志で下車した僕は無駄に2kmほど歩いたようだ。


8時45分、ファミリーマートに到着。
早速トイレに向かうが清掃中。もじもじしながら10分ほど待ってトイレを済また。
冷たいエナジー系ドリンクを飲んで気分をリフレッシュし、9時頃に出発。

辺野古に向かう途中、辺野古大橋からの展望を撮影したところ、ミノルタTC-1のフィルムの巻き上げができなくなり、撮影できなくなってしまった。
どうやら、国道329号線の写真を撮って以降、ファミリーマートに寄ってここへ来る間に壊れてしまったようだ。


このミノルタTC-1の不具合と修理については、ミノルタ TC-1 シャッターユニット交換 / Minolta TC-1, Shutter Unit replacedにまとめた。


壊れたTC-1はリュックにしまって、辺野古に着いてから使おうと思っていたZeiss Ikonを取り出す。
突発的に何かが起きるかもしれない場所で予備のカメラが無いのは少々不安だが、まぁなんとかなるだろう。

橋を渡り、国立沖縄工業高等専門学校の立派な建物を横目に500mほど歩くと、いよいよ辺野古の交差点に到着。拡声器を通した声が、ほんのかすかではあるが聞こえてくる。


基地のフェンス沿いに歩道を進むと、道の左側に抗議運動のテント(ブルーシート)が見えてくる。


キャンプ・シュワブのゲート前に到着したのは9時20分ごろ。

ゲート手前で交通整理をする民間(ALSOK)の警備員さんに挨拶して声をかけ、車が出入りする際の安全性、つまりは撮影時の立ち位置など、ゲート前の様子を温和な会話をする中で教えてもらう。ゲート前に引かれた黄色い線について尋ねると、「まぁ、詳しいことは警察に聞いてもらった方がいいですねぇ」となり、対応していただいた警備員さんに感謝の意を示し、警察官の方へ。

警備員さんとのやり取りも聞こえていたであろうゲート前に立つ警察官に「おはようございます」と声をかけるが、顔一面を覆うマスクと帽子の隙間からチラッとこちらを見るだけで、挨拶に応えもしない。続けて「この黄色い線を超えてはいけないんですか?超えると拘束されたり逮捕されるんですか?」と聞いてもチラチラ見てくるだけで質問にも答えない。

警備員さんのところへ戻って「警察って何も話さないんですか?」と聞くと、「んー、何も言わないことも有りますねぇ」とのこと。普段からこの調子のようだ。
肝心の黄色い線については、「とりあえず線を超えなければ大丈夫」とのこと。


挨拶にさえ応えない警察官。
真正面でカメラを構え、マスクと帽子の隙間から覗く目線がこちらを捉えた瞬間にシャッターを切った。
カメラを構えファインダーを覗いている時、以前観た映画、”ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎”に出てきたシーンを思い出していた。


次に、ゲートの反対側にいた抗議運動の関係者(=写真左の帽子をかぶった男性)に声をかけ、ここで何が起きていのかを見に来たことを告げ、現在の状況を丁寧に教えてもらった。
また、撮影に関する留意事項として、プライバシーの観点から寝泊まり用テントの中は撮らないことや、(公務中の警察官などとは異なり)個人の顔がはっきりとわかるものについては公開しない、もしくは個人利用に留めることなどを確認し合った。
そして、「今日一日よろしくお願いします」、「しっかり見ていって下さい」と声を交わし、テントの方へ向かった。

テントの脇にリュックを置き、フィルムやメモ帳などをポケットに詰め込んで、そこかしこを見て回った。


一日中ゲート前で抗議文を読み続けている男性。
声を荒げることもなく、ただただ淡々と主張を述べている。


島ぐるみ会議のバスが到着し、集会への参加者が増える。

集会には、沖縄県内をはじめ、全国各地から70人ほどが参加している。
大学生くらいの若い方から、おじいちゃん,おばあちゃんと呼ばれる歳の方まで、幅広い年齢層が参加している。多いのは中年から中高年といったあたり。

集会では、現況報告,新基地建設反対の主張,今後の活動予定や応援メッセージなどに加え、三線やオカリナの演奏や、替え歌を歌ったりすることもあった。
参加者からは拍手や笑い声が上がり、抗議行動に対してポジティブで、集会全体は陽気な雰囲気であった。


ゲート前を離れ、辺野古の海へ。フェンスで区切られた基地との境界。


キャンプ・シュワブから一番近い辺野古集落の入り口にある、ファミリーストアキヨタで昼食。
コーラ,焼きそば,じゅーしーおにぎり。


新基地建設反対集会とそのテント。


第3ゲートから大浦湾を望む。遠くに工事関連の船が見える。


沖縄総合事務局職員が乗った車への抗議の際、機動隊と市民がもみ合いになる。


ゲート前で太鼓を叩き続ける女性。
朝からずっと、その太鼓の音が近くから遠くから鳴り続けていた。


キャンプ・シュワブから一番近い辺野古の集落は、閑散として、静かだった。

9時20分から16時半まで基地ゲート前を中心に辺野古を撮影した写真は、特集ページのレポート:辺野古, 2015年3月10日 / Henoko, March 10, 2015にまとめた。


辺野古から那覇まで約2時間の乗車時間を考え、辺野古集落内の公衆トイレに寄ってからバス停へ。
17時25分、10分ほど遅れてやってきた77番バスに乗車。


帰りのバスもずっとガラガラ。


ポケットラジオを聞きながらのんびりと車窓の風景を眺めていると、金武ダムの上空をオスプレイが北へ向けて飛んでいった。


19時40分頃、浦添市を走行中。

20時頃、今朝バスに乗った上之屋に到着。


天久りうぼうの食品スーパーへ寄って夕食を買い、ホテルに帰ったのが20時30分を過ぎた頃。

ポーク玉子おにぎり,ジンギスカンおにぎり,イカかまぼこ,とんかつ,フーチャンプルー,酢豚,ごぼうサラダ,ジーマミー豆腐にビール。
各スーパーで少しずつ違いのあるチャンプルーを食べ比べるのも、なかなか楽しい。


沖縄紀行 2015年 1日目 / Okinawan journey, 2015, Day 1
沖縄紀行 2015年 2日目 / Okinawan journey, 2015, Day 2
沖縄紀行 2015年 3日目 / Okinawan journey, 2015, Day 3
沖縄紀行 2015年 4日目 / Okinawan journey, 2015, Day 4(執筆中)
沖縄紀行 2015年 5日目 / Okinawan journey, 2015, Day 5(執筆中)

更新情報

2016年8月27日
誤字訂正(そこかしら→そこかしこ)