年末年始を沖縄で過ごして来ました。
12月30日の午後に小松空港を出発して1月6日の午後に帰ってくる7泊8日の旅。
長くなるので、前編(この記事)と後編(近日公開予定)の二本立てにしました。
まずは前半、12月30日から年が明けて1月1日まで。
なおFlickr(Okinawa, 2013)にはここに掲載しきれなかった写真も置いています。
1日目 2012/12/30
初日は移動のみ。
いつもと同じく小松空港からの午後便で出発ですが、那覇からの到着便が遅れていたため、定刻から約45分ほど遅れての搭乗、出発になりました。
この遅れにより、那覇から先の航空機の乗り継ぎができなくなった方もいたようです。
振り返ってみれば、前回も出発が遅れていました。
小松空港は雨。
飛行の途中で、ドリンクのサービスが一時中断するくらいの揺れがありましたが、それ以外は特に問題なく那覇へ。
ほぼ満席の搭乗率でした。
出発が遅れたこともあって、那覇はもう暗くなっており、ポツポツと弱い雨が降っていました。
空港からは、新都心おもろまちのホテルまでタクシーで移動しました。
雨なのであまり歩きたくなったことと、明日は早朝から行動開始ということで、ホテルの隣の”花咲酒家 てぃーだ”で夕食。
ミーバイ[1]薄造りは、ポン酢でさっぱりと美味しかったです。
全体的に(お酒も含めて)ちょっと値段が高い[2]ことと、沖縄ローカルなメニューが少なかったことで、期待していたリターンが得られず少し残念な気分でした。
2日目 2012/12/31
2日目は、朝5時に起きて準備し、”那覇まちま〜い”に参加しました。
この”那覇まちま〜い”は、地元ガイドさんに那覇の街を案内してもらうミニツアーのようなもので、様々なコースが用意されており、歴史や文化などを知ることができます。
僕が参加したのは”早起きは三文の得 農連市場ま〜い”で、早朝の市場を巡るコースです。
6時ちょっと前に集合に到着し、受付を済ませます。
参加者は約10名で、ガイドのおじさんとサポート役のお姉さんと共に、まちま〜いが始まりました。
ここは農連市場入口にある24時間営業のパン屋さん。
昼の営業はもちろんのこと、早朝に集まる市場関係者[3]に向けての24時間営業となっています。
パン屋から少し先に進むと、農連市場に出ました。
まだ暗いですが、人がたくさんおり、バイクの荷台に野菜や花なんかを乗せてブウゥンと走り去って行ったり、買いに来たり、活気を感じます。
”JA”のマークがありますが、今現在は農協は関係の無い自主運営で、野菜なら300円, 花なら400円で出店することができ、中ではオバァたちが地面にゴザを敷いて商品を並べていました。
「ちょっと形が悪く、不出来なものでも売ることができる → 形が悪くても中身が同じものを安く買える」というwin-winな構図になっているようです。
天ぷらなどのお惣菜やカマボコなどの加工品も売られており、沖縄の食事情を感じることができました。
沖縄でよく見る外が真っ赤で中は真っ白なカマボコ。あれを作っている所も見ることができ、おばちゃんが白いカマボコをコロコロと転がすと一瞬で真っ赤になるのですが、なんと食紅をつけていただけでした。
そんな農連市場も過ぎゆく年月とともに老朽化してきており、2012年、特にひどかった台風で壊れたトタン屋根の一部は、まだ修理が終わっていませんでした。
さらに、農連市場は近く再開発される予定(琉球新報: 市営住宅など4棟整備 農連市場、再開発へ 那覇市)で、この”ザ・沖縄”な姿を見られるのは、あと数年というところのようです。
7時過ぎにまちま〜いが解散となり、どこかで朝食を…ということで歩き始めました。
サンライズなは通りには誰もおらず、がらんとした雰囲気でした。
事前に調べていた台湾粥のお店は、魔法で消されてしまったかのように存在がわからず、結局、国際通りまで出てバーガーキングへ。
モーニングメニューの時間帯でしたが、通常メニューもちょっと時間がかかるけどOKということで、ワッパーを美味しくいただきました。
朝食の後は、平和通り商店街を通って壺屋方面へ。
この場所は以前にも撮影している場所で、定点観測(2012年7月, 2011年5月)を楽しんでいます。
こうして並べると、以前掲載した2枚はちょっと硬調すぎる気も。
商店街を通りぬけ、壺屋やちむん通りをぶらぶら歩いてやってきたのは、育陶園の陶芸体験工房[4]。
工房の営業開始と同時[5]に、面シーサー作りを開始。
顔の土台を作り、口, 鼻, 目, 耳, 髭, たてがみなどのパーツをくっつけ、口をくりぬき、模様を入れるという作業を1時間ちょっと…
なんとか仕上がった面シーサー。
左が僕の作った方ですが、髭のグルグルを作るのがが難しく、ちょっと迫力が足りないかも。
約1ヶ月後、2月になって届いた面シーサーの完成品。
素焼きのような仕上がりだろうと思っていたのですが、表面はツヤのある仕上がりで、ちょっとだけ貫禄を感じられます。
陶芸体験の後、識名にある”てんtoてん”で沖縄そばを食べようと、2kmちょい(約30分)の道のりを歩いて行くことにしました。
「2kmくらい余裕だぜ」と思って歩き始めましたが、はじめはゆるやかな上り坂だったのが、最終的には随分上ることになって、食前のいい運動になりました。
写真は、上ってきた坂の途中で振り返ったところ。
iPhoneのGoogleマップでパッと見ただけでは、この高低差はわからなかったのでした。
この先(写真の後ろ側)に階段があり、そこからもう少し行くと到着です。
”てんtoてん”では、木灰そばとビールをいただきました。
そば自体の存在感が強くてしっかりした食べごたえですが、汁の香りは高いものの味が薄い感じがして、僕の好みとはちょっと違う感じでした。(十分おいしいですけど。)
12月31日ということで、持ち帰り用の年越しそば(たぶん麺とスープのセット)を買いに来る人がけっこうおり、沖縄の年越しそばは、やはり”沖縄そば”なのでした。
ちなみに、本土で言うところの蕎麦は”和(わ)そば”と呼ばれ、区別されていました。
せっかく識名まで歩いてきたので、あとちょっとだけ足を伸ばして識名園まで歩くことに。
お墓の間を抜けて行きますが、端が見えないくらい、ずーっと向こうまでお墓が広がっていました。
朝からずっと曇っていましたが、識名園に来て、ようやく太陽が顔をのぞかせました。
暖かな陽射しの中、写真に写っている御殿の縁側に座って、しばらくのんびりと庭を眺めていました。
御殿のそばの桜(カンヒザクラ)が咲き始めており、気候の違いを視覚的に実感しました。
識名園を堪能した後は、バスで国際通りへ戻りました。
国際通りに入ってからは渋滞でなかなか進みませんでしたが、要所を繋ぐバスは非常に便利な移動手段でした。
国際通り近辺で買えるおみやげを一通り買った後、どこかでお茶でも…ということで思い出したのが、商店街の中、牧志公設市場近くの”台湾茶屋”。
そういえば、赤いお店があったなぁと。
常連さんばっかりで入りにくそうな雰囲気でしたが、いざ入ってみると、お店の人(おじさん一人)も他のお客さんたちもウェルカムな感じで、全然問題ありませんでした。
店内はカウンターだけの10席程度。
注文が集中するとちょっと忙しそうですが、みんなゆったりとゆんたく[6]を楽しんでいました。
さんぴん茶を注文し、じんわり温かいお茶に、早朝からの行動で疲れた体も癒されました。
サービスのお茶うけ(黒糖)に加え、通常は急須(?)2杯のところを、「もう一杯いれましょうね」と3杯目までいただき、いい時間を過ごすことができました。
他のお客さんが注文していた厚切りのトーストも、ふっくらとおいしそうでした。
お茶の後は、夕食の買物に。
サンライズなは通りで、タコライスを[7]。
太平通り商店街で、マグロの刺身, イカと野菜の天ぷらを。
サンエー那覇で、ジーマミ豆腐, チャンプルー2種, サラダ, マグロのお寿司, カップ沖縄そば, ビールと泡盛を。
これに、早朝の農連市場で買っておいた田芋の天ぷらと昆布巻きを合わせて、年越しの豪華メニューを揃えました。
紅白歌合戦を見つつ、酒を飲み、料理をつつき、沖縄そばを年越しそばとしていただきました。
テレビからはゆく年来る年が流れ始め、年の変わる瞬間が近づいて来ました。
外から賑やかな声が聞こえてくるので見てみると、ホテルの向かい、サンエー那覇には20人くらいの人々が集まって盛り上がっているようでした。
いよいよあと1分となった頃から、カウントダウンのコールが始まって、
「10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0! イェー!!」
の声を聞きながら新年を迎えました。
遠くの方に目をやると、新年を祝う花火が上がっていました[8]。
3日目 2013/1/1
少しゆっくり目に行動を開始し、モノレールに乗って首里城へ。
(モノレールに乗る前、おもろまち駅では、思いがけない第1使徒との遭遇で「物を大切にする心」を強烈に学ぶことになったわけですが、その話は、また機会があればどこかで…)
モノレールの車内からも、街の向こう、丘の上の首里城が見えました。
モノレール首里駅で降り、しばらく城壁に沿って歩きます[9]。
特徴的な、先の尖ったデザインが印象的です。
守礼門は修復工事中でビニールの覆いがかぶせてありした。
覆いの中の様子はFlickrのこれ。
城の中から、入ってきた歓会門(左奥)の方を眺めた様子。
遠くには海が見えています。
新年のイベントが行われるということもあるのかもしれませんが、やはり首里城は人気の観光スポットで人が多かったです。
正殿と御庭。
この後、王様, 王妃様が登場し、一緒に並んで写真が撮れるというイベントをやっていました。
イベント後、正殿へ帰っていくのですが、正面に見える階段の一段一段が高く、王妃様は着物の裾のせいで足が上げにくく、上りづらそうでした。
昼食は、少し遅めでしたが、首里城近くの”琉球茶房あしびうなぁ”でソーキそばの定食をいただきました。
しっかりとした味の汁は、僕の好みに合っていました。
昼食後は、首里城の反対側まで歩いて、金城町の石畳道へ。
赤瓦に白い漆喰、石敢當、石畳の道と、沖縄の雰囲気が溢れ出ていました。
写真は、石畳道に入って少し下ったところですが、ここから先、写真右奥までずーっと下っています。
少し歩き疲れていたこともあって、ここを下ったらもう帰ってこれないだろうな…ということで[10]、これ以上は行かず、ここを左に。
さっきの場所を左に入ってしばらく進むと、大アカギを見ることができます。
何本かあるアカギの中で、一番大きいのがこれ。
ここから上を見上げると(Flickrのこれ)、葉の間から見える空が少し神々しく見えました。
これで首里周辺の散策は終了。
モノレール首里駅へ向かう途中には、ホテルの部屋でも飲んでいた瑞泉の瑞泉酒造など、泡盛の蔵元が何件かありました。
一旦おもろまちまで戻り、同行者は年賀状作成(!)のためホテルへ、僕はホテルから歩いていける距離の安里八幡宮へ向かいました。
なぜ安里八幡宮にやってきたかというと、安里八幡宮は琉球八社[11]の一つで、初詣も兼ねて一度見てみたいと思っていたのでした。
住宅街をずんずん進んでいった先に、安里八幡宮はあり、それほどの賑わいはないものの、地元の方と思しき方数名がお参りに来ていました。
こじんまりとした拝殿で、チャリンと小銭を投げ入れ、なんとなく手を合わせて帰ってきました。
普段から神頼みというものをやっていないので、いざ手を合わせてみても何を願えばよいのかすぐに浮かばず、なんとなく…となったのでした。
この日の夕食も、サンエー那覇で買ってきたもの。
マグロのお寿司とお惣菜。
やはり、沖縄といえばマグロですね。
以上、前編はここまで。
続きは後編へ。
更新情報
2013/1/22
金額の表記を「\(バックスラッシュ)」から、「円」に変更。お店や施設へのリンクを追加。
花火の注釈に追記。
3日目、昼食の件の構成を変更。
2013/2/06
面シーサーの完成品を追記。
2013/5/28
サンエー那覇のリンクが切れていたので修正。
2014/4/2
首里城公園のリンクが切れていたので修正。
2015/7/30
サンエー那覇のリンクが切れていたので修正。
2016/2/8
”早起きは三文の得 農連市場ま〜い”のリンクが切れていたので、リンク解除。農連市場再開発に伴い、コース設定されなくなった?
2017年5月17日
”花咲酒家 てぃーだ”のリンク先ページ(http://paikaji.jp/ti-da/)が消滅(閉店した?)したため、リンクを解除。
脚注
- =ハタ [↑]
- どちらかというと、他の店より少ない量で同じ値段という感じかも。 [↑]
- 市場が一番活気を帯びるのは午前3時〜4時。農産物を中心とした市場であり、レストランや食堂, 弁当屋などの人が主な客層。昼間の営業に向けた仕込みをするため、早朝が一番賑わう時間帯になっている。なお、農連市場は個人でも購入可能で、お惣菜とお菓子を買いました。 [↑]
- 正式名称は、”育陶園本店シーサー工房”。 [↑]
- 事前に9時からの体験を予約済。 [↑]
- 沖縄方言: ”おしゃべり”の意 [↑]
- 以前、2011年に店頭でタコスを食べたところ(写真はFlickrのこれ)。 [↑]
- 場所は不明ながら、時間差を置いて、3箇所で花火が上がったのを確認。 [↑]
- 首里城の入口が、駅と反対側にあるため。 [↑]
- 降りた先にタクシーが待っているんじゃないかという、ありそうでありえる(笑)冗談も出ましたが… [↑]
- 琉球王国時代に、王府から特別の扱いを受けた8つの神社。 [↑]