ニコン製品不買運動 / Boycott, Not buying Nikon products

「ニコンという企業が嫌いになったので、これからはニコン製品を買いません。」という話。

ついでに、白黒現像を始めることにしました。


昨日のHaniwa氏(@Haniwa_Japan)のツイート


で知ったのですが、ニコンのフォトコンテストには、フィルムで撮影した作品を応募することが基本的には[1]できないようです。

このフォトコンテストの詳細は、ニコン フォトコンテストのWebサイトで見ることができます。
応募要項の作品規定には、次のように記載されています。

作品規定
すべての部門のテーマは自由です。

A・B部門
デジタルスチルカメラ(中判以上のデジタルカメラを含む)で撮影した画像データ。ソフトウェア等を利用し処理・加工した作品の応募も可能です。カラー、モノクロを問いません。(フィルムカメラで撮影し、スキャナで作成した画像データの応募は受け付けておりません)
画像データの1点あたりのファイルサイズ:20MB以内
画像データのファイル形式:JPEG:1500×2100ピクセル以上 / 解像度150dpi以上
審査時の色空間は、sRGBを基準といたします。

どういう理由でフィルム作品が応募不可となったかについては、特に記載されていません。(2012年10月27日現在)


この件について思うところはいろいろあるのですが、結局のところ、商業主義が全面に出た結果なのではないかと思っています。

「写真文化だ、芸術だ」と言ってはいても、それは金を儲けるためのもの。
企業ですから、常に利益を上げ続けて行かなければならないのは、しょうがないことです。

しかし、企業がどの程度の利益を求めるのか、ユーザーにとってのメリットはどの程度あるのかということは気になるところです。
電力屋のように馬鹿みたいに儲かる仕組み[2]を作って、文字通り馬鹿みたいに儲けるのか。
消費者の購買意欲をかきたてるため、捏造とも取れるようなグラフや宣伝文句を並べ立てて宣伝するのか。
それとも、輪島塗などの漆器を作る工房のように、儲けは少ない[3]けれど必要とする人に最高のものを届けるのか。
そして、自分ならどの程度までの企業活動までなら許せるのかが、一番大きな要素です。

ニコンに関しては、2-3年で性能が半分になるデジタルカメラ[4]を売り、買い替え需要を生み出すことでコンスタントに利益を上げる仕組みを作ったところまでは、まだ僕の許容範囲内でした。(その買い替え需要の輪の中に自分が入らなければ、大きな影響はないので。)
しかし、新しく発売するレンズやアクセサリー類に旧来の機種との互換性を設けず[5]、その旧機種を手放さなければならないような状況を作ることによって、コンスタントに利益を上げる仕組みへ強制的に取り込んでいこうとするやり方には同意できません。

そして、今回のような、同じ写真という文化, 表現手法であっても、フィルムを使って制作された作品を実質的に応募できなくして排除することによって、コンスタントに利益を上げる仕組みへの強制的な取り込みを加速させるというやり方は、気に入らないのです。
そういう商売をするニコンが嫌いなのです。

ということで、「ニコン フォトコンテスト 2012-2013」の作品募集のお知らせの発表以降、つまり、2012年10月25日以降に発売されるニコン製品は買わないことに決めました。


さらにオマケで、この機会に、白黒の現像を始めることにしました。

以前から、もっと白黒で撮りたい(撮らねば)と思っていて、先日、映画"ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳"を見てその気持ちがさらに加速していたのです。

この記事を書くまでは、「こんなご時世だし、白黒現像とか先がないかなぁ。」という思いから白黒現像への一歩を踏み出せずにいましたが、記事を書いていたら「今こそやらねば!」という思いが強くなり、思い切って始めることにしました。

ざっくりと計算したところ、現像タンクなどの機材が13,000円くらいで、薬品を入れても15,000円くらいから始められそうです。
で、30本ほど現像すればラボの料金よりも1本あたりの単価が安くなるようなので、すぐに元が取れそう(という皮算用)。


参考: 本当の中判写真入門: 商業主義からの決別
中判写真入門に関するサイトですが、商業主義ついて書かれた部分がありますので参考にして下さい。
僕は数年前にそのサイトを訪れた際に大きな衝撃を受け、今のフィルムを主体とした写真生活を楽しむようになりました。

更新情報

2013.3.17
引用元を追記。
2014.4.14
HTMLタグの記述間違いを修正。
2016.3.20
引用部分、HTMLのciteタグの表記を変更。

脚注

  1. スキャナで作成した画像データはNGとなっていますが、デジタルスチルカメラでフィルムを撮影して画像データを作成すれば、規定に沿った画像データなので応募しても問題ないはずです。 []
  2. キーワード: 地域独占, 安全神話, 総括原価方式, オール電化など []
  3. 実際はどうなのだろう?儲かるの?儲からないの? []
  4. 幸い、D700は息が長い製品で嬉しい限りです。同居人が使うD80も特に不自由はしておらず、製品自体がダメということではないのです。物の売り方や、後継機種が出るのが早すぎるといった状況の方が問題です。F3がどれだけ長く現行機種であり続けたかを考えると、なんとも言えない感じです。 []
  5. 絞り環の無いGタイプレンズなど []

著者

西尾 健(にしお たけし)
石川県金沢市在住の素人フォトグラファー。
ダメ人間で写真が好き。フィルムの魅力に引き込まれ、フィルムで撮り続ける日々。
このWebサイトでは、主に自分用のメモと記録を、写真と文を交えて記事にしています。

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