2015年6月27日、金沢大学サテライト・プラザで開催されたミニ講座 ”沖縄の戦後70年そして今”を聞きに行った。
金沢大学名誉教授の五十嵐正博氏の講演に、ゲストとして森口豁氏が参加。
またサテライト・プラザの1階のギャラリーに森口氏撮影の写真が展示され、ミニ講座終了後にギャラリートークも行われた。
この講演の数日前にどこぞやの無学作家が「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という旨の発言をしたことを受け、かつて琉球新報に勤めていたことのある森口氏は、講演の冒頭で「母親に包丁を突きつけられたような気持ちだ」と、湧き上がる怒りがそのまま声になってしまわぬよう、一言一言を押し殺すようにゆっくりと語った。
森口氏の思うところを、
- ヤマト(本土、内地)と沖縄の温度差
- 戦争の本質−−−軍は住民を守らない、守るのは権力者(=天皇)−−−が表れた沖縄戦
- 沖縄県の各学校における、日の丸・国歌の義務化、強制、押し付け
- 本土の新聞の沖縄に関する通り一遍で不十分な内容が、沖縄の二紙(琉球新報、沖縄タイムス)を叩くきっかけ
- 沖縄独立という話も増えてきている。ヤマトについて行ったら集団自決になってしまうから、そんなのは嫌だという気持ち
- 沖縄の人は口にしないが、”海”に対する厳かな気持ちと畏れの気持ちを持っている。神が渡ってくるのは東の海。辺野古は?
などなど、他にも書ききれないほど聞いたが、やはり時間が足りない足りない。
場所を1階のギャラリーに移し、PHOTO PRESS 森口豁のギャラリーにも掲載されている写真を前にギャラリートーク。
「米軍支配下だった頃の写真が並ぶ中に、一枚だけ今の写真を紛れ込ませました」と語る森口氏。
モノクロで統一された展示写真からは、すぐにはどれがその写真なのかわからないが、よくよく見てみると、村の中を行進するアメリカ兵の装備品、肩にかけた銃や迷彩服が現代のものが一枚紛れ込んでいた。
米軍支配下だった頃と対して変わらないその写真からも、今の沖縄がどんな様子であるかを感じることができた。