3月11日の朝、いつものように、テレビでニュースを見ていた。
「あれから2年」という内容で構成された全国ニュースが終わり、地元局のニュースに切り替わる。
番組の後半、金沢市内のライブ映像をバックに石川県の天気や今日の予定を読み上げるコーナーがあり、その日テレビに映っていたのは、香林坊の交差点。
わずか10秒ほどの映像だったが、交差点の向こう側、大和アトリオの前に半旗が掲げられているのが見えた。
”そういう意”が、目に見える形で明確に表わされていた。
しばらく前から、テレビでは、この日に合わせたと思われる特集を、”また”よく見るようになった。
1年毎の区切りとしてこの時期に集中するのは分かっているが、それ以外の時期での取り上げ方はあまりにも薄いと以前から思っていた。
普段よく聞いているラジオでは、「忘れてほしくない。」という被災地の声を、以前から度々伝えていた。
思いは、見えたり、聞こえたり、読んだり、食べたり、触ったり… 何かしらの形で具現化されなければ伝わらない。
朝、半旗が掲げられているのを見て、そう思えた。
この日、金沢で、思いはどのような形になっているのかを、旗に注目して見て回った。