ポジのスキャニングワークフロー変更

今日投稿した記事(砂と風の記憶)で、

現在使用中のスキャナ(MP960というプリンタ複合機)でスキャンすると、どうにもピントが合っていない写真になってしまう。

ということを書いた。

それについてのあれこれ。(長いので区切ります)

その後、スキャナドライバの設定を変えたり、フイルムのセッティングを変えてみたり(ホルダーに入れずに直接ガラス面に置くなど)して、どうにか改善されないか試したのだが、ピントが甘いのは変わらなかった。
スキャナドライバの設定項目のひとつに”輪郭強調”というものがあるが、これはソフトウェア的なアプローチであり、スキャン後にPhotoshopなどでシャープ系のフィルタをかけるのと同じである。元々ピントが合っていないものを、後から合わせることは(今のところ)ムリ。

で、いろいろ調べたところ、Nikon純正アクセサリーとして、スライドコピーアダプターES-1(→Nikon Directの商品情報(Nikonの製品情報はリンク先変更?消滅?))が用意されていることがわかった。
これは、マクロレンズの先にポジフイルムをセットし、それを撮影するための道具である。

これで万事解決なら良いのだが、手元には1本のマクロレンズも無く、金沢にはこんなマイナーな製品を置いている店も無く(どこかにあるかもしんないけど…)、このアイデアだけ拝借することとした。

とりあえず、以下に撮影セットを載せる。

scanning workflow #/6

フイルムを乳白半透明のアクリル板にクリップで固定する。(フイルムの下端が浮いてしまうのを防ぐため、輪ゴムにより押さえてある。)
このアクリル板をオーディオCDケースで前後から挟み込んで立たせ、後ろにスピードライトを設置する。(スピードライトのワイドパネルを使用しているが、効果があるかは未確認。)
三脚にセットしたD80には、ケンコーデジタル接写リング(12mmと20mmを使用)と、50mm単焦点レンズを装着してある。
D80内蔵スピードライトはコマンダーモードに設定し、アクリル板の後ろのSB-800を制御する。(内蔵スピードライトによるフイルム面のテカリを避けるため、内蔵フラッシュ用赤外パネル SG-3IRを装着している。※調光コードがあれば不要になるのかな?)

で、これで撮影すると、以下のサイズで撮影できる。
少し傾いてしまったが、ちゃんとやればフイルム1コマがほぼ収まる。

scanning workflow #/6

今日投稿した記事(砂と風の記憶)の写真と同じくらいにトリミングしてみた。

scanning workflow #/6

長辺640pxくらいだと、違いがわからない。

部分的に拡大すると次のようになる(上:D80で撮影, 下:MP960でスキャン)。

scanning workflow #/6

scanning workflow #/6

色もコントラストも違っているのでそのまま比較はしにくいな。
D80で撮影したほうがスッキリした感じはする。(良くも悪くもデジタル的とも言える。)
スキャナはけっこう時間がかかるし、撮影する方がいいかもしれないな。

ちょっと撮影距離を変えると、↓のように撮れるので、いいかもしんない。

scanning workflow #/6

注意点とか

  • D700だと、接写リングをかましたときに歪曲が目立ってしまうため、手持ちの機材では不適。
  • フイルムとカメラを真っ直ぐにしないとピンズレする。(なかなか難しい。その点、ES-1なら真っ直ぐが保証される。)
  • スピードライトは適度に調光補正する。
  • フイルム無しでアクリル板だけ撮影し、ホワイトバランスを合わせるといいかもしれん。
  • ホコリに注意。(最後の写真は、撮影後にLightroomのスポット修正でホコリを消した。)

更新情報

2013/3/17
引用の表記を変更。
2014/7/8
ニコンWebサイトのURL変更に伴うES-1のリンク切れを修正。製品情報は移転先が不明のため、Nikon Directの商品ページへリンク先変更。
2015/8/9
画像のリンク先を変更。

著者

西尾 健(にしお たけし)
石川県金沢市在住の素人フォトグラファー。
ダメ人間で写真が好き。フィルムの魅力に引き込まれ、フィルムで撮り続ける日々。
このWebサイトでは、主に自分用のメモと記録を、写真と文を交えて記事にしています。

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